職種別の収入を見極めておく

職種別の収入を見極めておく

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インフラエンジニア以外の選択肢について

いくらあなたに才能とやる気があったとしても、一般的には未経験のインフラエンジニアよりも経験者の方が優遇されます。新たなチャレンジである以上、ある程度は仕方が無いとも言えますが、それでも転職前より大幅に収入が下がってしまっては厳しいでしょう。IT業界にはインフラエンジニア以外にも様々な職種があります。
一度「他の職種で今の職場での経験や、自分の能力が活かせないか」ということを考え、さらにその平均年収を比較してみると、あらためてインフラエンジニアへの転職についてより具体的に考えられるようになるのではないでしょうか。

SEやネットワークエンジニアと比べた場合

まず、基準となるインフラエンジニアの平均年収ですが、全体を見ると300万円から600万円という人が大部分を占めています。600万円以上は10%、700万円以上は5~6%とぐっと減ってしまいますから400万円もらっていればそこそこ、平均としては450万円というところでしょう。
平均年収がこのレベルの職種というと、SE(システムエンジニア)やネットワークエンジニアが考えられます。厳密に言えば、SEはインフラエンジニアよりやや低め、ネットワークエンジニアはやや高めです。平均年収ではプラスマイナス10万円、つまり2%ほどの差ですが、年収が増えてくればこの2%は大きくなってくるでしょう。
ただし、これはあくまでも正確さを求めたデータでの話で実際にはインフラエンジニアとネットワークエンジニアをきっちりと区別しない企業も多いため、ネットワークエンジニアと同じかそれ以上の給料をもらっているインフラエンジニアも少なからず存在します。

他の職種はかなり方向性が異なる

450万円以上ということを考えると、たとえばITコンサルタントの平均年収は30代でも650万円以上、50代では850万円から900万円近くになるとされています。年収面では魅力的ですが、その仕事内容は企業(または個人事業主)の相談相手なわけですから、これはさすがに未経験では務まりそうにありません。ITに関する深い知識と問題解決能力、そしてもちろん相手とのコミュニケーション能力が求められる職種だからこその高収入と考えるべきでしょう。
一方、平均年収が450万円以下の職種を探すと、テクニカルサポートやヘルプデスクといった職種が見つかります。どちらも平均では420万円ほどです。テクニカルサポートは、その企業の扱うハードウェアやソフトウェアにトラブルや疑問が発生した時に、電話やメール、FAXなどを使って対応する仕事です。遠隔地の相手の状況を正確に把握し、解決に導くアドバイスをする能力が要求されます。
ヘルプデスクは社内でのIT関連の問題に対処する、いわば内向きのテクニカルサポートです。こちらは「すぐに現場へ行って状況を確認・対処する」ことができなければなりません。そのためSE並みの高度な作業を要求される可能性もあります。しかし、手に負えなければ本職のSEに任せることも可能なため、やはり技術よりもコミュニケーション能力の高い人材の方が喜ばれる職種と言えるでしょう。
こうして比較すると、インフラエンジニアは技術の高さを活かせ、平均年収も高めの職種だということが見えてくるのではないでしょうか。

全く知識がないならまずはチェック

  • 未経験からインフラエンジニアになるためのキャリアパス

    未経験からインフラエンジニアに転身する場合、どのようなキャリアパスを歩むのかによって、その後の成長度やポジションが異なってきます。自分の人生の時間を無駄にしないためにも、インフラエンジニアとしてしっかりと活躍できるキャリアパスを経ることが大切です。一般的に、インフラエンジニアのキャリアパスは「監視業務」「ヘルプデスク」「システム運用・保守」「システム設計・構築」と業務の難易度で区別されています。容易ではありませんが、段階的にスキルや知識を習得できるので、未経験の方でもチャレンジしやすい職種と言えるでしょう。

  • 事前にエンジニア適性を見極めておく

    どんな仕事にも適性、つまり「向き不向き」というものがあります。インフラエンジニアももちろん例外ではありません。事前にエンジニアとしての適性を自分でチェックしてみることをおすすめします。IT系エンジニアというと理系の仕事という印象があるようですが、そんなことはありません。現役エンジニアの中には文系出身者が多数活躍しています。性格的な部分でいえば、オールマイティタイプの人、悪くいえば「飽きっぽい人」には向いていないかもしれません。何かひとつのことを追求するタイプの人にはエンジニア気質と言えるでしょう。

  • 必須スキルを抑えておく

    インフラエンジニアを目指す場合、まず把握しておきたいのが必要とされるスキルです。インフラエンジニアは、ITサービスの基盤となる部分を担うポジション。サーバー・ネットワーク全般の知識はもちろん、クライアント側の要望を汲み取るコミュニケーション能力も求められます。ここでは、そんなインフラエンジニアが持っておきたい基本的なスキルを挙げています。さらに、プラスアルファとして学んでおきたい言語や将来ニーズの高まりが期待される分野にも言及しているため、今後どういった方向に進むかの参考にしてみるといいでしょう。