IT業界の有効求人倍率の動向

IT業界の有効求人倍率の動向

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有効求人倍率は上昇傾向

2008年のリーマン・ショックで大幅に低下した有効求人倍率ですが、アベノミクスによる景気回復の影響もあり、近年では上昇傾向にあります。実際、2008年に平均0.76だった有効求人倍率は2009年には0.38と半減していますが、その後は徐々に上昇し、2015年には1.20まで回復しているのです。
これは24年ぶりの高水準で、空前の「売り手市場」といっても過言ではありません。失業率も3.4%まで改善されており、転職希望者にとってはまたとないチャンスといっていいでしょう。なぜそのようなことが言えるのかというと、有効求人倍率が高いということは、それだけ人手不足だということを表しているからです。さらに、失業率が低いということは暇を持て余している人材が少ないということを意味しているのです。
有効求人倍率が低いときは即戦力に絞って採用していた企業も、倍率が上昇すればそうも言っていられなくなるということです。

ITの分野は人手不足

では、ITエンジニアの有効求人倍率はどうなのでしょうか。某企業が調査した職種別有効求人倍率の推移によると、IT・通信の技術系職種の2016年6月の有効求人倍率は3.11で、他職種に比べて突出しているといっていいでしょう。
派遣社員によって取って代わられつつある事務・サービス系の2016年6月の有効求人倍率がわずか0.09にすぎないのを見ると、どれほどの売り手市場なのかが理解できるのではないでしょうか。しかも、IT・通信の技術系職種の有効求人倍率は、右肩上がりです。2009年9~10月に0.93で底を打って以来、基本的に上昇傾向にあります。
2014年12月に3倍を突破して以降は若干落ち着きを見せつつありますが、それでも2.9倍を割り込んだことは1度もありません。これは、ITエンジニアは慢性的に人手不足の状態にあると言っていいのではないでしょうか。

未経験者でも活躍は可能

採用するなら優秀な人材がほしい、可能であれば豊富な経験を持っている人がいいというのはどの業界にも共通しています。ただ、上にも書きましたように、優秀な人材だけを採用していればいいのはあくまでも有効求人倍率の低い「買い手市場」のときです。そもそも頭数自体が足りない「売り手市場」のときはそんな贅沢は言っていられないのです。
もしあなたがITとは縁のない業界出身でエンジニアの経験がなかったとしても、気後れする必要はありません。人手が足りない以上、新たにエンジニアを育てていくしかないのがIT業界の現状なのです。経験がない以上、今は力にならないかもしれませんが、あなたが若ければ経験を積んで力をつけていく時間は十分に与えられているのです。そうやって実力を身につけられれば、IT業界での活躍も不可能ではありません。
もし今の職種が合わないと感じているならば、売り手市場のITエンジニアの世界に飛び込んでみるのも面白いかもしれません。

全く知識がないならまずはチェック

  • 事前にエンジニア適性を見極めておく

    どんな仕事にも適性、つまり「向き不向き」というものがあります。インフラエンジニアももちろん例外ではありません。事前にエンジニアとしての適性を自分でチェックしてみることをおすすめします。IT系エンジニアというと理系の仕事という印象があるようですが、そんなことはありません。現役エンジニアの中には文系出身者が多数活躍しています。性格的な部分でいえば、オールマイティタイプの人、悪くいえば「飽きっぽい人」には向いていないかもしれません。何かひとつのことを追求するタイプの人にはエンジニア気質と言えるでしょう。

  • IT業界の有効求人倍率の動向

    人手不足はIT業界全体が抱える大きな課題です。当サイトでフォーカスしているインフラエンジニアはもちろんですが、プログラマやシステムエンジニア、プロジェクトマネージャなどあらゆる職種で人手が足りていないのが現状です。アベノミクスによる景気回復の波と比例するかのようにIT業界の有効求人倍率も上がり続けています。そのため、未経験者も積極的に採用し、研修制度によってエンジニアとしてしっかり育成するという企業がますます増えてきています。

  • 異業種からIT業界への転身の動向

    インフラエンジニアのような専門知識とスキルを必要とする技術職は、キャリアアップしやすいという特徴があります。実務経験などの経験値がエンジニアの価値として評価され、業界内での転職などでも収入アップしやすいという傾向があります。一方、IT業界は様々な業種の知識やノウハウを要する業界でもあり、かつ慢性的な人材不足も抱えていますから他業界での業務経験も歓迎されるという側面を持っています。終身雇用の文化が崩壊した現代の日本社会では、転職はキャリアアップのための手段となっているのです。